紺屋町八幡社絵馬
2024.2.14 | その他
種別 | 市 指定(絵画) |
指定 | 昭和六〇.九.六 |
所在地 | 下紺屋町 |
所有者 | 上田八幡社 |
八幡社への奉納絵馬 2面ともに、高さ102㎝・幅160㎝ 「奉掛御宝前(御宝前に掛け奉る)貞享五戌辰年五月吉辰」と書かれている。
市内紺屋町の八幡社に掲げられている一対の大きなで江戸時代前期の五年(一六八八)に奉納されたものです。滝を背にして岩の上に止まる黒と、松の枝に止まる白鷹が一羽描かれています。また、には一面に金箔が張られているという豪華な作品です。
裏面に墨で、「雪舟長谷川等栄信舟筆」と書かれており、作者は長谷川等伯の起こした長谷川派の画家であったことが分かります。また、この長谷川等栄は当時の、上田藩主仙石家の記録から、同家おえの絵師であったこともわかっています。
これらの点と大変立派なつくりであること等からみて、この絵馬は当時の上田藩主仙石政明が奉納したものと考えて間違いないでしょう。紺屋町八幡社は上田城の鬼門の方角(北東)にあり、上田城の守り神として代々の城主に篤く敬われた神社でした。その建て替え・修理などは藩の経費でまかなわれていますし、政明自身もしばしばここに参拝しています。
また、これは政策年代のはっきりしているものとしては、市内に伝わる最古の絵馬ではないかとみられる貴重な資料です。
※『上田市誌 上田市の文化財』(執筆担当 寺島隆史)から転載
所在地は下紺屋町(西部地区)だが、「紺屋町」の氏神であるため北部地区の文化財に準じて掲載